屋根塗装の本質

 
木造住宅の屋根塗装について「屋根塗装をしたら雨漏りしませんか?」という質問を多くいただきます。
そもそも屋根塗装をなぜ行うのか?これは塗装工事に対して言える本質ですが、塗装は防水ではございません。
特に屋根などの空に向かって水平に向いている面に対しての防水ということが目的であれば塗装工事では改善されることはございません。
木造住宅の屋根の防水は目に見えないところに設けられ、構造的として雨漏りが起こらないという前提で建築されます。
これは屋根の土台の上に野地板を引き、そこにアスファルトルーフィングという防水紙を設けることで防水としております。
これを二次防水と呼び、施工します。
では1次防水は?となりますが、これが現在建物の屋根で目に見えている部材、すなわち屋根材です。
 

本来の屋根塗装の目的

屋根塗装は、この屋根材の保護が大きな目的となり重要な役目となります。
2次防水の保護をする1次防水の保護塗装が屋根塗装では極めて重要であり本質となります。
2次防水のアスファルトルーフィングと言われる下葺材にも寿命がございます。
ものによっても若干異なりますが、概ね紫外線に当たらないという仮説で25年~30年と言われます。
これは新築から30年も経ち野地板を見える状態にすれば、概ね軒先や鼻先に何らかの劣化や不具合が見られることから、
30年に一度は屋根の葺き替え工事を視野にメンテナンスをしましょうということが言えるからです。
 
そこまで快適に保つためにも10年~15年に一度は屋根の塗装を行い1次防水のメンテナンスをして保護することで何事もなくすむのです。
また木造住宅の屋根は雨仕舞いという多少の水が屋根に進入することを想定したのち、速やかに建物外部へ排出する仕組みが施されています。
すなわち新築時から若干の水は屋根の2次防水の上を流れ外に排出されるような雨仕舞いが取られているということなのです。
塗装をしたら雨漏りしないという事にはなりませんし、若干の水はすでに屋根の2次防水の上を流れているということは事実です。
 
そこを不安に思うのではなく、一番怖いのは塗装をして雨漏りを引き起こしてしまうことです。
特に多いのはもともとの屋根材の隙間をむやみに塗料で埋めてしまい、排出されるべき水が屋根材の中に滞留する現象、
表面張力で引っ張られた水が建物内部に進入することです。
どんな状況でも塗装はできますが、考えられた施工をしない限りかえって建物を腐食させてしまうということは良く聞くことです。
屋根塗装に必要な通気を考えた施工を熟知した職人に行ってもらうことが屋根塗装の大前提と言えるでしょう。